2012年12月アーカイブ

2012年競馬の総決算、有馬記念は1・2番人気馬が出遅れる波乱のスタート。
ゴールドシップは発送後ダッシュが着かず5〜6馬身差をつけられる。
もっと深刻なのがルーラーシップ。ゲートが開いた瞬間に
鞍上を振り落とさんばかりの立ち上がり。絶望的とも言える発馬の失敗。

レースは同じ勝負服のアーネストリーとビートブラックが引っ張り、
1000mを推定1:00.5のラップで通過。
やや早めといえるペースに出遅れた2頭は救われる形となる。

向こう正面を過ぎた残り800mからゴールドシップが菊花賞で見せた大まくりを始める。
競走馬のピラミッドの頂点まで勝ち上がってきた猛者たち相手に常識破りの戦法。
この乱暴な戦い方ができるのも前走で結果を残した故。
大一番で見せたパフォーマンスは驚愕、3角から追い通し、
最後の中山急坂で更にギアチェンジをするスタミナを残している圧巻の一言。

ほぼ完璧といえる競馬を見せた先行抜け出しのエイシンフラッシュを
並ぶ間もなくかわし、後続に影も踏ませぬ圧勝劇を見せつけたゴールドシップ。
最強馬オルフェーヴル、女傑ジェンティルドンナとの覇権争いに見事割り込んで見せた。

パフォーマンスから言えば、今日の勝利は「ベストレース」と認められる衝撃的なもの。
ジャパンカップでのオルフェーヴルvsジェンティルドンナのぶつかり合いにも負けない印象を残した。
ステイゴールド×メジロマックイーンの黄金血統は存在することを高らかに証明した。
しかし、派手な勝ちっぷりとは裏はらに、今後大きなタイトルを狙うに当たり
スタートダッシュという基本的な課題を残したとも言える。

スタートダッシュが着かず、5馬身以上も出遅れていては、いつ足元を掬われても不思議ない。
ましてや、日本競馬悲願のビックタイトル凱旋門賞を狙うのなら、
はっきりとしたウィークポイントは矯正しておきたいところ。

そう言った意味で、ルーラーシップはGⅠレースに出走が許さない致命傷。
今後ゲート再検査が課されることが決定した報道も見られるが、
レースを経験するたびに出遅れグセは悪化する一方。
いつもながらの光景とはいえ、晴れの有馬記念でのスタート直後の失態。
スタンドからは悲鳴ともつかない歓声が上がるレースを繰り返すことは
ファンにとっての背信行為とも言える大罪。

数々の勲章を手にしてきた角居調教師の手腕をもってしても治すことが
叶わないのであれば、競走馬として欠陥の烙印を押されても致し方ない。
このような醜態が繰り返されると日本競馬のレベルする疑われてしまう。
お金で血統を集めるだけで調教技術は2流3流と嘲笑されかねない。

絶望的な出遅れから3着に食い込む能力は誰もが認めるところ。
血統的にも母エアグルーヴとその人気は不動のものと言える。
絶望的な出遅れグセも特徴の一つとして許容されるには勝利するほかない。

ゲートで立ち上がり、10馬身以上の出遅れで3着どまりでは、投票したファンは堪らない。
次走は進退をかけたゲートといえよう。名門厩舎の仕事に期待したい。

関東馬期待のルルーシュは8着どまり。
先行集団で3番手に付ける絶好のポジションも最後の急坂で脚が止まる。
まだまだ、一流馬相手には力を出しきれない印象。
今日の有馬記念がGⅠ初挑戦。
今後ステップレースから力を付けて大舞台で結果が残せるよう期待したい。

今後の注目はサラブレットとしては一癖も二癖もある黄金血統と
抜群の安定感を見せるディープインパクト産駒の覇権争い。
次の世代へと駒を進めることとなる。

ダービー馬を輩出し、種牡馬として揺るぎない地位を手にしたものの、
牡馬中距離線ではいまひとつ印象が薄いディープ産駒の爆発にも期待したいところ。

2歳陣では、シンボリクリスエス×シーザリオの超良血エピファネイアが
出世レースラジオNIKKEI杯2歳Sを制し、世代トップに躍り出た。
それに対し、朝日FSで、ちぐはぐさを見せたキングカメハメハ産駒コディーノの挽回できるか。
ディープ産駒の期待馬キズナはNIKKEI杯2歳S3着からの巻き返しを見せたい。

未勝利戦を脱出してばかりの黄金血統オルフェの全弟リヤンドファミユの今後の成長にも期待。
東京スポーツ杯2歳Sで鬼脚2着に食い込んだ外国産馬レッドレイヴンも新風を巻き起こせるか。
来年もクラシック戦線を賑わせる有力馬たちの動向に注目していきたい。
7番人気の伏兵ロゴタイプが見事、朝日杯フューチュリティステークスを制する。
去年のアルフレードに続き、関東馬の勝利。
そのアルフレードが記録したレースレコードと並ぶ1:33.4でのゴール。
マイル戦線の主役候補に名乗りを上げるには十分な走破タイムを記録。
父ローエングリンとマイル適性が見込まれ、来春のクラシック戦線を進むのか、注目したい。

一方、圧倒的一番人気に押されたコディーノは、タイム差なしクビ差負けで2着に沈む。
道中での折り合いを欠いたことが、最後の中山急坂で脚が止まる原因となってしまった。

単勝1.3倍とファンの支持を集めたことが、鞍上横山典弘騎手のペース判断に誤差を与えたか。
ラップタイムはスタートから3Fを33.9秒とハイペース。
4〜5番手と絶好のポジションをキープするも、閉じ込まれるのを嫌ったのか、
馬込みから外側に位置取りを変える。

しかし、この判断が完全に裏目に出た形。
抜群の操作性を武器とするコディーノが騎手の指示に過剰反応を示す。
スピードが落ち着いたマイル戦の中盤で先頭に並びかける。

慌てた鞍上がブレーキを掛けると再び4〜5番手に位置取りを戻す。
しかし、一瞬しか息を入れるタイミングのないマイル戦では致命的。

直線に入り、外から先行するロゴタイムを捕らえに行くも、
坂を登りきったところで脚色が揃ってしまい、最後のクビ差を縮めることが出来ず。
痛恨の配線となってしまった。

東の横綱候補として、このレースはなんとしても制しておきたいレースであった。
7番人気馬を抜き去ることができなかったことは印象的にも決め手にかける印象。
群雄割拠と謳われる2歳牡馬陣で頭ひとつ抜け出すチャンスを逃してしまった。

どっしりと構えて直線で勝負すれば、あっさり抜け出すことも有り得たようなレース展開。
陣営は折り合いを欠いた事を敗因に上げていたが、これは疑問符。
ドタバタした道中は騎手の操縦ミスのように感じられた。

圧倒的一番人気に騎手に与えた精神的プレッシャーは相当なものであったのであろう。
抜群のペース判断を誇る横山典騎手がまさかのミスジャッジ。
藤沢厩舎と蜜月を築いた関係は簡単には崩れないであろうが、
コディーノは競馬サークルで圧倒的な存在感を示すサンデーレーシング。
今後の鞍上が変更される可能性すら考えられる。

鞍上が外国人・地方出身騎手に乗り替わることがないことを祈りたい。

5番人気のローブティサージュが今年の阪神ジュブナイルフィリーズを制覇。
ゴールドシップを擁する今年絶好調の須貝厩舎にまた一頭、期待馬が誕生した。
ウォッカ、ブエナビスタと歴史に残る女傑が名乗りを上げた同レース。
ローブティサージュも名牝としての第一歩を踏み出した。

勝ち馬の鞍上秋山騎手はカレンブラックヒルのNHKマイルカップに続き、
今年に入り2つ目のGⅠタイトルを獲得。
騎手・厩舎ともども飛躍の一年となった。

父ウォーエンブレムは一度は種牡馬としては失格の烙印を押された馬。
今年誕生した産駒も19頭と軌道に乗ることはできていないが、
GⅠ馬は秋華賞馬ブラックエンブレムに続き2頭目。
来春以降のクラシック戦線に向け、ローブティサージュの活躍を期待したい。

今年のジャパンカップダートはニホンピロアワーズが制した。
6番人気とマークされることなく、逃げる武豊のエスポワールシチーを追走。
最後の直線では、持ったままで急坂を駆け上がり、
勝負どころで気合を入れると他馬を3馬身ちぎる圧勝劇。

前走みやこSは1番人気に押されたローマンレジェンドとクビ差の接戦。
2着に惜敗しながらも、実力の一端を見せていた。
勝った酒井学騎手は15年目にして始めてのGⅠタイトルを手にする。
ニホンピロアワーズは5歳馬ながらも、今年に入り急成長。
中央の重賞未勝利ながらもビックタイトルをかっさらった。

距離適性は中距離向きに見えるが、来春のフェブラリーSは東京コース。
ここでの勝利で、ダート界のチャンピオンホースとしての地位を確立できるか、
注目したい。

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